2015年2月4日水曜日

福島国際医療科学センター 放散線医学県民健康管理センター にメール 備忘(誤字などは修正)
 
http://fukushima-mimamori.jp

県民健康調査について



いつもお世話になります。濱岡@慶応商学部です。
下記の質問、および意見について対応、検討をよろしくお願いします。

1)4地域比較
 市町村レベルのデータを4地域に集計していますが、中通りについ
ては、2013-14の2年間にわけて検査されています。
 平均年齢はまるまる1年+高校3年生が進学して補足しづらくなる分 だけ差が生じています。
 このような集計は不適切です。少なくとも市町村レベル そのものでの分析をすべきです。

2)ケースコントロール分析の実施
 (線量推計できた方のみでも)ガンのみつかった方とそうでない方のケースコントロール分析をするべきですが、なぜしないのでしょうか。

3)基本調査
 4ヶ月未満を4ヶ月としていた件、特に飯舘が大きく変化しましたが、その後の修正や公開の予定はどうなっているのでしょうか。

 外部線量推計に使われている放医研の論文では、18シナリオ毎に推計されていますが、それは代表性のあるものではありません。UNSCEARの報告書でもこのシナリオが使われており、基本調査でとられている避難経路について、主要なものについてだけでも、回答者の割合を公開すべきだと考えます。

 基本調査について、市町村別には線量分布しか示されていません。年齢層別被曝量、もしくは回答者年齢層、もしくは平均年齢についても公開が必要です。

4)基本調査で得られている線量分布の「代表性」に関する調査(案)
 「同じ地域でも未回答者と既回答者との間で線量の分布に違いがないか、あるとすれば、どの程度であるかを調査する。」

 とあり、新たな調査をするとのことですが、その前に下記のような分析をすべきです。
 回答者の住所、地点別の線量もしくは土壌汚染度はわかっているはずなので、それとの関連を分析する方がよいでしょう。

住民基本台帳は原則閲覧できませんが、
統計調査、世論調査、学術研究その他の調査研究のうち公益性が高いと認められるもの
 に該当するので、住民基本台帳の閲覧=氏名、生年月日、性別 は閲覧可能です。それを用いて 回答者、非回答者の比較をするべきでしょう。

 個人レベルでの分析が面倒ならば、地域メッシュ統計データ、もしくは国勢調査ならば小学校区レベルでの集計データは公開されているので、基本調査を同レベルで集計して比較することは可能です。

 これをした上で、必要ならば新たな調査をすべきです。

 ちなみに、ランダムサンプリングするのであれば、4000名のうち基本調査無回答者はその75%の3000件程度。すべて回答して頂いたとしても、回答率の向上への寄与は3000/2000000=0.15%程度です。
 また、県外などに避難された方についてはどうするか、などの問題もあります。


5)先行調査と本格調査
 どのように分析するのでしょうか。
 私であれば、マルチステート分析をしますが、そのためには個票データが必要です。匿名化したデータの研究者向け公開をすべきだと考えます。

必要ならばお手伝いしますよ。

以上よろしくお願いします。