エネルギー・環境会議へのパブリックコメント 手順編 2012/7/15送信
1)不適切な選択肢の設定
3つの選択肢を示しているが、脱原発の方向といいながら現状の26%と同様の25%という選択肢を設定している。また、これとあわせて、再処理の方法も組み合わせている。このような不適切な選択肢を呈示するべきではない。
そもそも%で表示するのではなく、原発による発電設備量(例 0基、 5基:700万kW程度: 10基 )という、より具体的でわかりやすい方法で明示すべきである。
なお、さいたま説明会での高原長官の説明によると2010年策定エネルギー長期計画での目標値45%と比較しているようだが、2010年実績の26%と比較すべきである。
2)一方的な情報の提供
CO2の問題を強調しているが、一方で原発の運転に伴う核廃棄物の発生。再処理や高速増殖炉などの技術的行き詰まりなどの情報が提供されていない。3つの選択肢について、再処理の方法も抱き合わせている以上、これらの情報も提供すべきである。
3)期間の短さ
6月末の方針決定から7月末までのパブリックコメント(8月上旬まで延長)、8月上旬までの意見聴取会、討論型世論調査といった手順を想定しているようである。このような重大な問題を、2ヶ月未満という短期間で決定すべきではない。
選択肢の設定、それらへの評価、判断などじっくりと時間をかけるべきである。
4)参加可能な人数の少なさ
上述の手順では、パブリックコメントは自由に誰でも寄せられるものの、意見聴取会200名×11会場、討論型世論調査では3000名にアンケート、うち300名程度しか参加できない。これでは参加可能な者の数が圧倒的に少なく、国民的議論とはいえない。
これらの情報はいずれも、ホームページ上で公開されているだけであり、広く告知されていない。がれき受け入れ広告と同等程度の広報を行うべきである。
実際にさいたまでの意見聴取会に出席したが、政府担当者や意見表明者への質問すらさせていない。結局政府担当者の説明をきき、意見表明者の意見をきいているだけで、自宅でネット中継をみているのと同じである。
5)民意の反映の方法の不明確さ
上述のように、いくつかの方法で意見を聴取するようだが、それらをどのように判断するのかの基準、方向性すら示されていない。パブリックコメントは募集しても、「取り入れることはできない」「今後の課題」といった形で無視されてきたものがおおい。期間の短さもあり、さらにその危惧は大きい。
国民的な論議を取り入れるならば、国民投票もしくは少なくとも立地・消費地での住民投票を行うべきである。