2012年5月6日日曜日

LSS(Life Span Study) 13報 被爆者データのRによる分析 

 市民にも科学を、という趣旨で分析のためのプログラムを公開します。
といっても、今のところ玄人には簡単なことまで説明し、素人には難しくみえるかもしれないという微妙な位置づけになっています。
 とりあえずプログラムについては、GPLライセンスで公開するので、適宜修正、公開してください。
  • 被曝された方から得られた大変貴重なデータであることは心して分析したいと思います。
0.お急ぎの方

 色々説明していたら長くなったので、Rで実行したい人は下記から。
  • LSS13 データのダウンロード
    • 放影研のここから住所などを入力すればすぐにダウンロード可能。
    • Rで読み込むのは下記のファイル。エディタなどで開いてみるとよい。
      • R13mort.dat
    • R13 data documentation.pdfが変数名ファイル。みておく方がよい。このファイルでの変数名とデータでの変数名大文字小文字が異なるので注意。
    • Rの起動と作業ディレクトリの指定
      • 上記の R13mort.dat があるディレクトリを作業ディレクトリに指定。
    • 私の提供するファイル
        • 処理用プログラム
            • 下記リンクからGoogle docで公開しています。適宜コピー、Rにペーストして利用して下さい。
            • 2013/1/19追記 変数の定義ミスがあったので、読み込みスクリプト修正しました。処理スクリプトは変更ありませんが、変数の定義が異なるので、当該変数の部分の結果も変化します。お手数ですが、再度処理をお願いします。こちらに修正前後の結果を比較しておきました。線量部分は大きな変化はありません。
              • @habari2011duniaさんから下記、ご指摘頂きました。ありがとうございます。
            • lssinc13forpubrd.R 
              • R13mort.datを読み込み、必要な変数を生成してR用のデータセットを作成、保存するRスクリプト。
            • lssinc13forpubprc.R 
              • 上でつくったデータセットを使って推定するためのRスクリプト。
              • 説明コメント、出力イメージつきなので、推定しない人もご覧になるとよいのでは。
        1.このデータについて
        0)論文 
        Preston, DL, Y Shimizu, DA Pierce, A Suyama, and K Mabuchi (2003), "Studies of mortality of atomic bomb survivors. Report 13. Solid cancer and noncancer disease mortality: 1950-1997," Radiation Research, 160 (4), 381-407. 例えばここからpdf 
         で用いられたデータを分析するためのRスクリプト。

         ここでは13報(以下LSS13論文などと称する)を扱いますが、14報も今年公開され(概要pdf)、データも既に提供中です。線量評価13報はDS86、14報はDS02と異なっている、変数名も異なっている、疾病の分類も若干異なるといった点に注意が必要です。
         しかし、結論=線形閾値無しモデルが最良=はかわりません。そのうち、14報の分析スクリプトも公開するかもしれませんが、ここで公開しているものがわかれば自分でもできるでしょう。

        1)このデータの問題/限界
         以下を指摘できます。
         a)被曝後5年から開始されたのでその間に亡くなられた方が含まれていない。
         b)比較対象グループつまり、被曝していない両地域の人々が含まれていない(他のデータセットでは投下時には市外、その後入市された方が含まれているデータ、分析もある)。
         c)(多分)外部被曝しか考慮していない。
         d)年齢分布などに偏りがある。例)被曝線量が高い人では、若い人の割合が高くなっている。
         e)線量バッチなどつけているはずがないので、被曝量は爆心地からの距離やどこにいたかという情報に基づく推定値であり、それ自体誤差を含んでいる。
         f)個人レベルのデータではなく年齢層、被曝量などの層別に集計されたデータである。

         a)b)については(外部)被曝量の影響を過小評価する方向に、c)については(外部)被曝量の影響を過大評価する方向に作用する可能性が高い。

         d)について傾向スコアで補正した推定を行ったところ、(敏感な若年層のウエイトを高線量部分について小さくするので)若干だが影響は小さくなった。


        • Hamaoka, Yutaka (2011)"A Search for Better Dose-Response Function," 14th International Congress of Radiation Research, Warsaw, Poland, 27 Aug -1 Sep.
          その後、sample selection bias を検討した論文があることに気づいたが未読。
         e)については検証した論文があったが未読。
         f)については、上記のPolandの学会で同研究所の児玉氏にお目にかかったときに言ったところコホートとはいえ、細かく区切られているので個人レベルでも結果はかわらないのではないかとのこと。しかし、個人レベルのハザードモデルなど適用可能なモデルが広がるので何とかしたい。  
         「放射線影響研究所のデータについて」の下の方には、個人レベルでの推定例が紹介されている。
         追記)2013/1/18 ポアソン回帰など一般線形モデルの推定値の標準誤差は説明変数の共分散の逆数に比例。連続変量を適当にカテゴリにまとめると当然分散は小さくなり、推定値の標準誤差は大きくなり、有意になりにくくなる。

         これらの限界があるが、我々が簡単に入手可能(だが曲解?されている)ほぼ唯一のデータなので、分析してみる。
         被爆者データでは線形閾値なしモデルが支持されているが、その他の研究を踏まえて国際的には100mSV以下では不確実とされているのかもしれません。UNSCEARの報告書など読み込んでいないので、どのような根拠で、そのようになっているのか、もしくはなっていないのか現在調査中です。
         なお、 原発従業者疫学調査について にまとめたように年間被曝線量1mSv程度の原発従業員を対象とした調査でも線量と有意な関係が見いだされています。
         予防原則という観点からも日本人を対象としたデータである、この結果を重視すべきであると考えます。


        2.推定されているモデルについて


        1)ポアソン回帰モデル
         死亡者数がポアソン分布に従い、その平均値が各種の変数(年齢、性別、被曝量など)に依存するというポアソン回帰モデルで推定している(層別に集計したデータに対して)。
         推定は有料のEpicure(簡単な解説)というソフトが用いられている。しかし、オープンソースの無料・統計ソフトRを使えばポアソン回帰(やその他のモデルでも)推定可能(Mac, Win, Linux版あり)。


         (あるコホートにおける)死亡者数yが下記のようなポアソン分布に従うと考える。ここでλは(人年あたりの)死亡率。

         P(Y=y)=exp(-λ)λ^y/y!

         この死亡率λが性別、都市、年齢(z)、被曝線量xなどによって影響されるとモデル化。これを被曝線量に依存しない部分=ベースラインλ0(z)と、線量とzに依存するf(x,z)の積として表現。λ0(z)に各種変数を導入する際は、負にならないように指数にのせる。 以下では過剰相対リスク(ERR)モデルを推定する。

          λ=λ0(z)*(1+f(x,z))=exp(b0+b1z1+...)*(1+f(x,z))
            • 注 2015/7/8)λ0(z)*f(x,z)=exp(b0+b1z1+...)*f(x,z)を上記のように表記訂正(MAKIRINTAROさんのご指摘による)。
        •  例えばb1>0であれば、z1が大きくなるほどλ=死亡率が高くなることになる。
          • 検定については下の方を参照。
         上記論文では f(x,z)の線量部分を以下のように定式化して推定。線形(1次)モデルのあてはまりが最良であったと文章で記述している
        • 線形(1次)
          • βx
        • 2次
          • βx^2
        • 1次+2次
          • β1x+β2x^2
          • 1次項、2次項の相関が高いので不適切
        • (手動)閾値モデル Tより低い線量では影響0というモデル。
          • β(x-T) x>=T
          • 0 otherwise
            • 閾値を変更して推定。それを繰り返すという原始的な方法。閾値自体も推定量なので、そのものを推定して、統計的検定する方がよい。
        • 線量カテゴリ・ダミー(以下ノンパラ回帰と呼ぶ)
          • Σβi*xi    xi  はi番目の線量カテゴリダミー。上記のような関数形を想定せず、各線量毎に影響の大きさを推定。カテゴリの区切り方に結果が依存しやすい。
         ・最終的には線形モデルが最良としている。これが下記のように他の変数にも依存するというモデルを用いている。  x:線量
           f(x,z)=β*x*性別ダミー*exp{α1被曝時年齢/30+α2*log(到達年齢/70)}

        #私が推定した結果 (線量部分については放影研の提供している結果出力ログとほぼ一致。ベースラインについては多分、性別などのコーディングの違いによって推定結果が異なる。→これはAMFITのマニュアルがないので不明。


        #[[1]]   この結果は上記のように変数を修正した推定結果(2013/1/19)
        #            beta.estimated        ses          t   s
        #(Intercept)    -7.20114548 0.66308663 -10.860037 ***
        #mhiro           3.78935443 0.82399285   4.598771 ***
        #mnaga           3.76984999 0.82418426   4.574038 ***
        #fhiro          -0.03939173 0.03170574  -1.242416    
        #me30           -0.05684162 0.04259556  -1.334449   .
        #fe30            0.21281297 0.03998091   5.322864 ***
        #me30sq         -0.03531584 0.02359363  -1.496838   .
        #fe30sq          0.02496813 0.02235298   1.116993    
        #me30qsp         0.05365397 0.04115247   1.303785   .
        #fe30qsp        -0.08020425 0.03852640  -2.081800   *
        #me50qsp        -0.18927995 0.05968431  -3.171352 ***
        #fe50qsp        -0.06817465 0.05521142  -1.234792    
        #mlage70         8.94142250 1.63463851   5.469969 ***
        #flage70        -2.63884525 2.26133457  -1.166942    
        #mlage70sq       2.12190266 1.22083589   1.738074   *
        #flage70sq      -4.91288034 1.81215840  -2.711066  **
        #mlage40qsp     -3.33159492 1.56302819  -2.131500   *
        #flage40qsp      5.99872530 2.11289049   2.839108  **
        #mlage70qsp     -7.25067676 2.01427381  -3.599648 ***
        #flage70qsp     -2.05687939 1.66741196  -1.233576    
        #下記が線量に関連する部分
        #exp(e30)       -0.37602715 0.09371096  -4.012627 ***
        #          ↑上式のα1 年をとって被曝するとリスクは低下
        #exp(lage70)    -0.69497460 0.45241326  -1.536150   .
        #          同α2
        #x:dsex          0.25724104 0.09736845   2.641934  **
        #          ↑性別による影響の差がある
        #x               0.46774879 0.06249616   7.484440 ***
        #          ↑これが線量の係数 放影研のLSS13の結果0.475とほぼ一致
        #[[2]]
        #         LL      AIC      BIC
        #1 -12879.08 25806.16 26263.13 →下にあるモデル1よりもAICは小さく、あてはまりは良好。




        2)この論文の問題点
         再推定したところ、線形が最良という結論は変わりませんが、以下の大小の問題があり、100mSv以下では影響がないという誤解もしくは解釈を生んでいると考えます。
        • 検定統計量などが明示されていない。
          • 線形、2次、線形+2次、手動閾値モデル、ノンパラモデル を比較して線形が最良であった、と結論づけている。しかし、各モデルの適合度(deviance、尤度、AIC等)が明示されていない。(14報では線形、二次、線形+二次の比較についてはdevianceの差による検定が明示されている。が、手動閾値モデルなどとの比較はされていない。)
          • (線量以外の)個別のパラメータのt値なども明示されていない。疫学ではt値ではなく信頼区間で表示するようですが、ベースライン部分の係数の推定値、信頼区間はまったく表示されていない。
        • 線量の1次項、2次項を同時に入れたモデルを推定している。
          • これらの相関は0.9以上と高いので、同時に入れると多重共線性の問題が生じる。曲線性の検定をしたい気持ちはわかるが、あてにならない可能性が高い。
        • サンプルを限定した分析の限界を明示していない。
          • 全サンプルを用いた場合、上記のような結論。それで終了でいいはずだが、低線量サンプルに限定した分析をしている。サンプル数が減少すると、標準誤差も大きくなり有意でなくなりやすいが、その点についての記述が弱い。これが100mSv以下無影響論の根拠になっている可能性がある。
            • 例えば下記の論文も全領域では有意。線量域を限定した分析すると有意ではなくなることを示した。ただし、単に統計的検定力が低下したためであると正しく解説している。
            • GILBERT, E. S., KOSHURNIKOVA, N. A., SOKOLNIKOV, M. E., SHILNIKOVA, N. S., PRESTON, D. L., RON, E., OKATENKO, P. V., KHOKHRYAKOV, V. F., VASILENKO, E. K., MILLER, S., ECKERMAN, K. & ROMANOV, S. A. 2004. Lung Cancer in Mayak Workers. Radiation Research, 162, 505-516.
            • LSS13論文では線量を限定した推定の際も、他のパラメータは全データを用いて推定したものを用いている(そうしないと不安定になって推定できない)。そうするならば以下に私がしているように、全サンプルを用いてある線量以下では効果が異なるというモデルを推定すべきである。
        • 内挿値における誤差についての記述漏れ
          • 推定したパラメータを用いて、各線量毎の期待過剰死亡数を算出している(TABLE 10)。これ自体も推定値なので推定の誤差があるが、それを明示していない。
          • 5mSV以下では過剰死亡数が0となっている。これが、低線量では被曝による影響がないという解釈につながっている可能性が高い。
            • 例えばアリソン「放射能と理性」 のTable 4,5は LSS13ではなく、Preston et al. (2004) Table7などを引用。 http://www.bioone.org/doi/abs/10.1667/RR3232
              • 以下の推定では、これについては対応していません。


        3. このスクリプトでの推定

        1)モデルの適合度


        • モデル全体のあてはまりの優劣
          • モデルの全体的あてはまりを比較する指標として、異なるタイプのモデルでも比較できるAIC(赤池の情報量基準)を用いる。
          • ここでのルーチンでは AICが出力されている。これの値が小さい方が、データにあてはまりがよいモデルということになる。
            • AIC 赤池の情報量基準 モデルのデータからのずれの大きさを表す指標なので、値が小さいモデルほど、あてはまりがよいモデルとなる。用いたパラメータの数も考慮して補正されている。
        • 部分的な診断:変数が有意か否か
          • 変数の横に .とか*がついているか?
            • Rでは .10% *5% ** 1% ***0.1%なので注意。 
            • これらの記号がついている変数は死亡率に影響を与えると考えることができる。
              • 厳密には係数=0:その変数と従属変数、つまり死亡率には相関がない)という帰無仮説が棄却されたことを意味する。相関がないという帰無仮説が棄却されたということであって、相関があることを積極的に言明するものではない(背理法なので)。厳密には因果であるともいえないことに注意。
        下記のモデル1の出力例
        #                   Estimate Std. Error z value Pr(>|z|)    
        #(Intercept)      -9.1352303  0.0667514 -136.85   <2e-16 ***
          右に. とか*がついている変数が影響を与えると考えてよい。
        #city              0.0128649  0.0229870    0.56    0.576    
        #sex              -0.6048946  0.0208939  -28.95   <2e-16 ***
        #agex              0.0012827  0.0008275    1.55    0.121    
        #age               0.0699884  0.0009362   74.76   <2e-16 ***
          ここまでが線量に関係ないベースライン
        #log(1 + col_d10)  0.6253448  0.0485312   12.88   <2e-16 ***
          これが線量の係数  *がついているので0ではないといえる。

        #Signif. codes:  0 ‘***’ 0.001 ‘**’ 0.01 ‘*’ 0.05 ‘.’ 0.1 ‘ ’ 1 
        #(Dispersion parameter for poisson family taken to be 1)
        #    Null deviance: 27566  on 37059  degrees of freedom
        #Residual deviance: 15002  on 37054  degrees of freedom
        #AIC: 26533  ←複数のモデルを比較するときに使えるAIC 小さい方がよい。


        2)ここで推定したモデル
         以下、線量部分の定式化を紹介。スクリプト内でのモデル番号、(AIC)、係数とその有意水準を示す(log(1+col_d10))などとあるのがそう。
         モデル1-8ではベースラインには上のように、都市、被曝時年齢、到達年齢を、線量部分にはそれらを入れないシンプルなモデルを推定。モデル9でLSS13と同じ程度の変数を投入したモデルを推定。
         推定したモデル群のなかでAICが最小となるのはモデル9。
        • より一般的なモデル
          • (1+x)^β
          • β=1のとき線形、β<1のとき下にそった形、β>1のとき上に反った形になる。しかも1次+2次モデルのような多重共線性の問題が生じない。
            • また、普通のポアソン回帰推定ルーチンでlog(1+x)を説明変数とすればよいので、指定や推定が楽。
            • 線量範囲を限定した推定、閾値を手動で変化させた推定もこのモデルで行っている。
            • 下記の線形(1次)と係数は異なるが、図示するとほぼ同じような形状になる。 lssinc13forpubprc.R の出力イメージ参照。
            • モデル1 シンプルモデル(26533)
              • log(1 + col_d10) 0.6253448 ***
            • モデル5 同じことを自作の最尤ルーチンで(26533) 同じ結果
              • log(1 + col_d10) 0.625***
            • モデル9-0 LSS13のように変数追加。それらは有意に説明するので、AICも(25818)と低下。
              • log(1 + x) 0.474301 ***
        • 上のモデル5にパラメータを1つ追加
          • (1+β1x)^β2
            • モデル 5.1  ( 26534.05)
              • β2:log(1 + col_d10) 1.0197 ***
              • β1=b7*col_d10 0.5088 .

        • 線量カテゴリ・ダミー(以下ノンパラ回帰と呼ぶ)
          • Σβi*xi    xi  はi番目の線量カテゴリダミー
          • カテゴリの区切り方を変えて推定。
          • モデル2  LSS13と同じ23カテゴリ (26556)
          • モデル2.1 0.01Svごとに細分化   (26799)
          • モデル2.2 1Sv以下では0.01区切り、それより大きいと0.1区切(26631) 
          • モデル2.3 23カテゴリを二つずつ併合、12カテゴリに。(26546)
        • (手動)閾値モデル
          • β(x-T) x>=T ,0 otherwise        
            • のように閾値以下を0にするのではなく上の一般モデルでの(手動)閾値モデルを推定。
            • (1+x)^β2  x>=T, (1+x)^β1 otherwise
                • ある(閾)値で傾きが異なるというモデル。Tでの連続性無視。
              • モデル3  T=100msV   (26535)
              • log(1 + col_d10):col_d10<0.1FALSE 0.6269 ***
                • 100mSV以上の傾き
              • log(1 + col_d10):col_d10<0.1TRUE 0.743(p=0.165)
                • 100mSV未満  以下同様
              • モデル3.1 T=10mSv   (26535)
                • log(1 +col_d10):col_d10<0.01FALSE 0.634 ***
                • log(1 +col_d10):col_d10<0.01TRUE 11.750.
                  • 10mSV以下のリスクが非常に大きいという結果。ただしあてはまりはモデル1よりも悪い。特に理論的ななにかがなければ、モデル1を優先すべき。
              • モデル3.2 T=5mSv   (26533)
                • log(1+col_d10):col_d10<0.005FALSE 0.6116***
                • log(1+col_d10):col_d10<0.005TRUE -47.47(p=0.112)
                  • マイナスになる。。。有意ではないが。。上と同様モデルあよりも劣る。
              • モデル3.3 T=1mSv   (26535)
                • log(1+col_d10):col_d10<=0.001FALSE 0.627***
                • log(1+col_d10):col_d10<=0.001TRUE -17.35
          • 線形(1次)
            • βx
              • モデル6(シンプルモデル)  (26532.98)
                • β  0.5396 ***
              • モデル9(変数追加=ほぼLSS13と同じ定式化。結果も下記のようにLSSの0.475と一致)  (AICも推定したモデルのなかで最小 25814.55)
                • β  0.470 ***
          • 2次
            • βx^2
              • これは推定せず上記の一般的なモデルの枠組みで下記のように定式化した。
            • (1+x^2)^β
              • モデル4.1   (26541)
                • β →log(1 + col_d10sq) 0.4895710 ***
          • 1次+2次
            • β1x+β2x^2          推定せず
            • (1+x^2)^β1+(1+x^2)^β2
              • モデル4 #2乗項は有意ではない (26533)
                • 1次項、2次項の相関は0.95と高いので不適切だが参考までに。
                • β1→log(1 + col_d10)    0.4348747 ** 
                • β2→log(1 + col_d10sq) 0.1651926 (p= 0.127)  
          • (以下追加したもの)ロジスティック
            • 1/{1+exp-(β2x-β1)}
              • β2の値が大きく、急に立ち上がるような形状であれば、β1/β2を閾値として解釈可能。
              • モデル7   (26535)
              • logist const  -3.908***
              • logist d      4.584***
            • x/{1+exp-(β2x-β1)}
              • モデル7.1
              • 分子にも線量を入れたもの。(推定不能) 
          • 閾値直接推定
            • 閾値を手動ではなく推定させる。→統計的検定可能。
            • β(x-T) x>=T ,0
            • モデル8 (26535)
              • slope 0.53134 ***
              • thresthold 0.02691 *** ←26.9mSv。有意だがAICはモデル1よりも悪化
           ということで、AIC最小のLSS13の線形モデル9が最良。つまり固形ガンによる死亡については、線形閾値無しモデルが、もっともあてはまりがよい。というのが一連の分析からの結論。

          4.おまけの推定
          • 1)線量域を限定して推定
            • 上記の一般(シンプル)モデル1で、推定に用いるサンプルを線量によって限定。この場合、サンプル数が異なるのでAICの比較は無意味。線量の結果のみ示す。
                • 簡単のため変数の少ないモデル1の結果を紹介しますが、LSS13のモデル9でしても同様の傾向です。ただし、低線量段階ではパラメータが推定できなくなる状況が多発します。
            • 10mSv以下
              • log(1 + col_d10) -3.727327  p=0.367
              • 係数マイナスなのでホルミシス???ただし有意ではない
            • 50mSv以下
              • log(1 + col_d10)  0.645   p=0.48673   
            • 100mSv以下
              • log(1 + col_d10)  0.621   p=0.25824    
            • 150mSv以下
              • log(1 + col_d10)  0.4599 p=0.21393    
            • 200mSv以下
            • log(1 + col_d10)  0.6317    0.0282 *
              • ここでやっと有意になる。
            • とまあ低線量では有意になりにくいことがわかった。それでは高線量部分で限定するとどうか。
            • 2-3Svに限定
              • log(1 + col_d10) -0.097926   p=0.954 ここでも有意ではない。。。。
            • 2Sv以上
              • log(1 + col_d10)  0.217170   p=0.878
            • 1Sv以上だと有意にはなる
              • log(1 + col_d10)  0.569871   *  
            • ということで、高線量部分でもサンプルを限定して推定すると有意ではなくなる。
              • サンプル数が減少→検定力の低下
              • 恣意的な限定
              • 区間毎にパラメータが違うことを(暗黙のうちに)仮定しているようなもの
              • なので、よほどのことがなければ全サンプルを使うべき。
            • 参考までにsubjects数は下記の通り 
              • sum(subjects[LSdat$col_d10<=0.05]) #47530
              • sum(subjects[LSdat$col_d10<=0.1]) #69108
              • sum(subjects[LSdat$col_d10<=0.15]) #72675
              • sum(subjects[LSdat$col_d10>=2 & LSdat$col_d10<=3]) #457
              • sum(subjects[LSdat$col_d10>=2 ]) #488
              • sum(subjects[LSdat$col_d10>=1 ]) #2101
          • 2)推定時点を変更して推定
            • LSS14報の(非ガン)のグラフから刺激されて作成。初期のころはU字型かつ、底の部分が1よりも小さいホルミシス的な形状だったが、時間が経過して死亡数が増加すると線形になる。
            • このことをLSS13でも確認してみる。1957年から10年ごとの死亡数を用いて、モデル1とモデル2で推定。
            • 下の図のように、初期の頃はモデル2(ノンパラ=○)で推定するとマイナスの係数が多発。ホルミシス云々との根拠になったかもしれない
              • ただし、当時のデータでも、ノンパラモデルよりも線形モデルの方があてはまりは良好。(例 1957年までの場合 モデル1のAIC=10874、モデル2=10899。)
            • しかし、データが蓄積(死亡数が増加)されることによって、そのような減少はみられなくなる。しかも線量の係数は大きくなる(傾きが急になる)。
            • 似たようなことは、台湾のコバルト混入セメントでつくられたアパートの分析でも観察されている
            • 早い段階から安心するべきではないという教訓。
          注)1957(黒),67(青),77(黄),87(ピンク),97(赤)年時点までの死亡数を用いて推定した結果。
           実線は[1+線量)^β、点は線量カテゴリダミー(23区分)を用いた。
          • 3)他の疾病
            • モデル1で白血病についても推定した例。線量の係数は
            • log(1 + x)    1.833 ***
            • と1より大きいので上に反った形。
            • 固形ガンと白血病でこのように形状が異なるのはなぜか、とポーランドの学会で、放影研の児玉氏に質問した。自分は、わからないが丹羽先生によると、固形ガンでも白血病のようになるべき、との見解とのこと。
            • もう一人の放影研の研究員(米国で学位を取った台湾の方で白血病を分析)にも質問したが自分はstatisticianなのでメカニズムはわからない。とのこと。。。いずれにしてもERRは白血病の方が高い。

          5.推定の準備(上の0.と一部重複)
          • LSS13 データのダウンロード
            • 放影研のここから住所などを入力すればすぐにダウンロード可能。
            • Rで読み込むのは下記のファイル。エディタなどで開いてみるとよい。
              • R13mort.dat
            • R13 data documentation.pdfが変数名ファイル。みておく方がよい。
          • Rの準備
            • Rのインストール
              • まだの方は、例えば私のHPを参照してインストール(インストール方法、つかってみる まで実行してみるとよいのでは)。ライブラリなどは特に追加インストール不要。
          • 私の提供するファイル
              • 処理用プログラム
                  • 下記リンクからGoogle docで公開。GPLライセンス。
                    • lssinc13forpubrd.R 読み込み用Rスクリプト
                      • lssinc13forpubprc.R 上でつくったデータセットを使って処理するための(推定用)Rスクリプト(出力画像付き)

                  6.Rへの読み込みとデータセットへの保存
                  • Rを起動。上記の R13mort.dat があるディレクトリをRの作業ディレクトリに指定(わかる人は当然、setwdコマンドで指定可能)。
                    • Mac版Rでは その他>作業ディレクトリの変更
                    • Win版Rでは ファイル>作業ディレクトリの変更
                      • Windows7ではデスクトップを指定できないかもしれない。その場合はC:ドライブに 上記のファイルを移動して、C:を作業ディレクトリに指定してください。
                  • 上記の lssinc13forpubrd.R 読み込み用Rスクリプトの実行
                    • 上のリンクから画面を開いて順次、コピー、Rの画面にペースト、リターンすれば処理できます。
                    • (注)
                      • #ではじまるのはコメント文なのでコピー、ペーストしてもしなくても構いません。
                      • なにかあるとエラーメッセージが表示されます。このプログラムの場合、生じるとしたら、ファイルがみつからない、開けないというもの(日本語もしくは英語)。その場合は、上記のように、R13mort.datのあるディレクトリを作業ディレクトリとしてください。
                      • Mac版SafariだとGoogledocからコピーするのにはコツがいるような感じ。下の行から上にむかって行を選ぶと間違いが少ないよう。
                  • 最後に下記のような出力がされ、フォルダに0LSdat.rda ができていればok。Rでのデータセット名はLSdat。

                     被曝線量(行方向)別の人数subjects、死者数deathなど。

                         subjects death cancer solid stomach lung liquid heart external
                  ~0.005    37458 19182   4053  3833    1182  510    220  3577     1010
                  ~0.1      31650 16132   3443  3277    1019  432    166  3020      774
                  ~0.2       5732  3065    707   668     201   82     39   570      134
                  ~0.5       6332  3446    812   763     256  112     49   663      156
                  ~1.0       3299  1774    481   438     119   67     43   320       85
                  ~2.0       1613   876    314   274      65   50     40   130       27
                  2.0+        488   296    107    82      25   11     25    42       14
                  Total     86572 44771   9917  9335    2867 1264    582  8322     2200



                  7. データの集計や推定
                   上記のプログラムで作成した 0LSdat.rda を読み込んで各種の推定を行う。上と同様、0LSdat.rdaがある場所を作業フォルダとして指定。
                  • lssinc13forpubprc.R 上でつくったデータセットを使って処理するための(推定用)Rスクリプト(出力画像付き)
                  • 上記をクリックして開いた画面からコピー Rにペースト。
                  #のあとにコメントや処理結果も入れてあるので、処理できなくとも どのようなことを(科学者は)しているのかを感じることができることを期待。ちょっと勉強すれば、ここで推定したモデル以外も推定可能。


                  8.演習方法
                  • 処理プログラムをどうしていいかわからない方は、とりあえずモデル1について
                    • 説明変数を追加する
                      • といっても使えそうな変数はあと distcat 被曝時の爆心地からの距離ダミー程度。これを追加するには、下記のようにすればよい。
                        • カテゴリー変数なので、as.factor(distcat)とする。
                    • summary(res1.1<-glm(solid~ city+sex+agex+age+log(1+col_d10)+as.factor(distcat),family="poisson",offset=log(PYR),data=LSdat))
                      • 変数間の交互作用を追加する。
                        • 例えば 被曝時年齢と性別の組み合わせで影響が違うと考えるならば、sex:agex を加える。もしくは読み込みプログラムで作成してある交互作用変数を利用する。
                    • summary(res1.2<-glm(solid~ city+sex+agex+age+log(1+col_d10)+sex:agex,family="poisson",offset=log(PYR),data=LSdat))

                    • 他の疾病について分析する。
                      • 放影研からダウンロードした 変数名ファイル R13 data documentation.pdfをみて変数名を指定。 (Rは半角が基本。また、大文字小文字を区別することに注意。また、R13 data documentation.pdfでの変数名とデータファイル内ので変数名大文字小文字が異なっているものもある)。
                      • names(LSdat)
                        • で下記のように変数名が出力されるので、それを利用。

                      • 例えば胃がんの場合 死亡数は stomach  胃の線量は sto_d10
                        • summary(res1.1<-glm(stomach ~ city+sex+agex+age+log(1+sto_d10),family="poisson",offset=log(PYR),data=LSdat))
                    • 胃の場合には胃の線量を使う方がよいと思いますが、未確認。結腸線量のままでも結果は大きくはかわりません。
                      • 部位別の線量の相関は高いものが多いことは下記のコマンドで確認できる。
                      • cor(LSdat[,70:88])
                  参考)変数名一覧
                   [1] "city"       "sex"        "un4gy"      "distcat"    "agxcat"     "agecat"     "dcat"       "time"      
                    [9] "PYR"        "subjects"   "gdist"      "agex"       "age"        "year"       "death"      "cancer"    
                   [17] "solid"      "liquid"     "oralca"     "digestca"   "esoph"      "stomach"    "colon"      "rectum"    
                   [25] "liver"      "gallbldr"   "pancr"      "respca"     "lung"       "bone"       "connect"    "melanoma"  
                   [33] "nmskin"     "breast"     "uterus"     "cervix"     "corpus"     "utrNOS"     "ovary"      "othfem"    
                   [41] "prost"      "othmale"    "bladder"    "kidney"     "othurin"    "brainm"     "brainb"     "othcnsm"   
                   [49] "othcnsb"    "thyroid"    "benign"     "blood"      "noncadis"   "infect"     "endo"       "nervous"   
                   [57] "heart"      "resp"       "digest"     "urinary"    "tb"         "stroke"     "pneu"       "livcir"    
                   [65] "external"   "suicide"    "kerma"      "kerma_g"    "kerma_n"    "col_d10"    "col_gam"    "col_neu"   
                   [73] "mar_d10"    "mar_gam"    "mar_neu"    "bra_d10"    "bre_d10"    "liv_d10"    "lun_d10"    "ova_d10"   
                   [81] "pan_d10"    "ske_d10"    "ski_d10"    "sto_d10"    "tes_d10"    "thy_d10"    "uri_d10"    "ute_d10"   
                   [89] "index"      "lage70"     "lage70sq"   "lage70qsp"  "lage40qsp"  "e30"        "e30sq"      "e30sp"     
                   [97] "e30qsp"     "e50sp"      "e50qsp"     "msex"       "female"     "dsex"       "fcity"      "fsex"      
                  [105] "mhiro"      "mnaga"      "fhiro"      "fnaga"      "mlage70"    "mlage70sq"  "mlage70qsp" "mlage40qsp"
                  [113] "me30"       "me30sq"     "me30sp"     "me30qsp"    "me50sp"     "me50qsp"    "flage70"    "flage70sq" 
                  [121] "flage70qsp" "flage40qsp" "fe30"       "fe30sq"     "fe30sp"     "fe30qsp"    "fe50sp"     "fe50qsp"   
                  [129] "col_d10sq"  "d1"         "d2"         "d3"         "d4"         "d5"         "d6"         "d7"        
                  [137] "d8"         "d9"         "d10"        "d11"        "d12"        "d13"        "d14"        "d15"       
                  [145] "d16"        "d17"        "d18"        "d19"        "d20"        "d21"        "d22"        "dcat3"     
                  [153] "agxcat3"    "dcat4"  
                  注)黒字はもともとの変数。青は読み込みプログラムで作成したもの。

                  9.期待すること
                  • 線形モデルのあてはまりが最良であることを実感する。
                  • 部分的にサンプルを取り出して推定することの不適切さを実感する
                  • 論文や彼らの提供しているログの出力、ここでの出力をみて、それを上回る結論を提示できるようになる。
                  • ベースラインの結果が放影研のログと異なる原因の解明。
                    • 性別2水準、都市2水準 これらをくみあわせて4つの変数を作成。通常はどれかを0に固定しないと推定できないはずなので私は長崎・女性を0に固定。しかし、放影研のAMFITからの出力では推定できている。総合平均などからの乖離のようなものでしょうが、よく理解していない部分。その他も若干異なるなので、Rでもそれができるようにしてもらえるとありがたい。AMFITのマニュアルがあればわかるかもしれない。
                  • 他の定式化、モデルで推定し、よりあてはまりのよいモデルを探索する。
                    • 論文をみるとわかるように、分析はオーソドックス。ちょっといじればLSS13モデルよりも優れたモデルがつくれるかもしれない。
                      • もともとはそれをめざして分析開始。変数が少なければ、他のモデルの方があてはまることもありますが、LSS13のように変数を入れ込むとなかなか難しい。
                  • これよりも使いやすいスクリプトなどを誰かが開発してくれる。
                    • ここで紹介したoptimのプログラムは、変数等を変更すると、書き直さなければならず、面倒。説明変数群行列xや線量反応部分を式として与えれば、推定してくれるように発展させるような奇特な方が出現する。
                  • より難易度の低い推定ツールの開発。
                    • エクセルの最適化ルーチンでも推定可能なはず。市民が推定するのは困難なので、とっつきやすいものを。
                  • sourceforge.jpにプロジェクトを開設したが、CVS,SVNなど使ったことがないので、このように公開。よりよい方法があれば。
                  10.発展系

                   下記のようなデータが存在するので、再分析などしてみる。コホートデータならば多分、適用可能。


                  • 放射線影響研究所 これを含む被爆者コホートデータ 住所など入力すればその場でDL可能
                  • 放射線医学総合研究所 放射線安全研究情報DB
                  • STOREプロジェクト
                    • http://www.storedb.org/
                    • 欧州における過去の放射線実験のデータのアーカイブ 誰でもダウンロード可能
                  • ・ドイツ ウラン鉱山Wismut労働者のコホートデータ
                  • 米 Comprehensive Epidemiologic Data Resource
                    • https://www.orau.gov/cedr/
                      • ブラウザはIE/FFのみ対応?Safariではうまく作動せず。
                      • Hanfordなど米国核施設従業者の個人レベルデータ提供。要書面でのユーザー登録。公表前には了解を得る必要がある。
                  11.参考
                   いずれも私のこのブログの他エントリー。

                  12.謝辞
                   出版物ではないが、データの利用条件となっているので付加。

                  用いたデータは広島および長崎の放射線影響研究所(放影研)から入手したもので ある。放影研は、日本の厚生労働省(厚労省)ならびに米国のエネルギー省(DOE) により資金提供を(後者については、その一部を米国学士院に対する DOE 研究助成 金 DE-HS0000031 を通じて)受けている公益法人である。この報告書に示した結論 は著者のものであり、必ずしも放影研またはその資金提供機関の判断を反映するも のではない。

                  2012年4月29日日曜日




                  参考)疫学入門  いずれも全文無料でpdfダウンロード可能


                  上田昌文小牧史枝 「素人のための疫学入門市民科学研講義録 プレゼンテーション資料+解説 pdf 


                  ・木原雅子,木原正博監訳 (2008), WHOの標準疫学: 三煌社   http://whqlibdoc.who.int/publications/2006/9241547073_jpn.pdf

                  ・Chongsuvivatwong, Virasakdi (2007), "Analysis of epidemiolo data using R and Epicalc."   http://cran.r-project.org/doc/contrib/Epicalc_Book.pdf  RのEpicalcをつかった入門→ポアソン回帰まで


                  ・古いがガンの統計分析のバイブル的なものらしい2冊 Amazonでは「書籍」は有料で販売されている。
                  Breslow, N. E.  and N. E. Day (ed.) (1987), Statistical Methods in Cancer Research Vol. I: IARC Scientific Publications No. 32

                  Breslow, N. E.  and N. E. Day (ed.) (1987), Statistical Methods in Cancer Research - Volume II - The Design and Analysis of Cohort Studies: IARC Scientific Publications No. 82

                  上記2冊の著者 BreslowのHP データのダウンロード可能 http://faculty.washington.edu/norm/datasets.html



                  2012年4月10日火曜日


                  平成23年度 資源エネルギー庁が平成23年度第一次補正予算で実施した原子力安全規制広聴・広報事業  事業報告書 について  2012/4/10 送信

                   昨日みたときはこのページからリンクがはってあったが、現在はなくなっている。幸いにもダウンロードしていたので、ここに公開する。    
                   これは3/31に書き始めたもの。その後再公開されたので、報告書についてはここを参照。 それを踏まえて公開されたQAはこちら。


                  1.背景情報 
                   このプロジェクトにはもちろん何の関係もないが、東大原子力で修士終了後、野村総研で3年程度勤務。官公庁のプロジェクトも担当。博士課程などを経て現在は慶應でマーケティング担当。対面でのクチコミ、インターネット上での書き込みなどのeクチコミは研究テーマの柱の一つ。例えば最近のこれを参照。クローリング(キーワードサーチして、ヒットしたコンテンツをダウンロード。そこから必要な部分を切り出すこと)も自分でしている。 官庁の仕事もしたので、仕組みはだいたい推測できる。


                  2.この事業の入札公告
                   仕様書をみると、事業開始から1ヶ月程度で30問以上、事業終了時までには100問以上のQ&A集を作成すること。」とある。


                  3.問題点
                   インターネット上の情報を検閲しているかのようにもとられるプロジェクトであるという根本的な問題がある。これはひとまずおいて、いくつかの問題を指摘する。


                  1)成果物の仕様違反
                   仕様書には上にあるように100問以上を作成するとある。しかし、この報告書には60問程度しか設定されていない。明らかに仕様を満たしていない仕様違反である。
                    下記の天ぷら報告書 の項も参照

                  2)入札時の評価項目
                   事業従事予定者に、事業内容に関する専門知識・ノウハウ等があるか。
                    →アサツーDK ADK(旭通信社と大広という代理店が合併もしくは持ち株設立)に放射線についての専門的な知識があるはずはない。  



                  3)過大な費用
                   ・7400万円で落札したとある。 
                    野村も別プロジェクトを同じ時期に落札しているよう。 
                   それなりに知識のある良心的な者を招集すれば200万円もあれば十分できる内容。明らかに過大な金額。


                  (1)謙虚な見積もり例
                   ・データの収集、整理
                  キーワードを指定してクローリング。簡単に分類集計。グラフ作成。
                  それなりのスキルが必要なので。単価を高めに。
                   2万円/人日×30人日  ~60万円


                  ・QA案の作成 それらからQとあわせてAを70程度作成。
                   質問作成専門家?に意見を聞いてとりまとめ。
                   1万円/人日×70人日  ~70万円   →多分どこかの院生をバイトで使用


                  ・委員への手当
                   1問あたりもっとも詳しそうな専門家に意見をきく(複数にきくと対立したりして面倒なので)。
                   1問あたり5000円の手当。
                   5000円×64問 =32万


                  ・検討会議の開催
                   1日のみ回答作成専門家を招集して検討会開催。
                   (日給2万+交通費 )×5名 ~20万円 程度


                  ・報告書執筆、プロジェクト管理
                   1万円/人日×20人日  ~20万円
                  計 200万 程度。 


                  (2)過大な見積もり例
                  ・データの収集、検索、収集のためのシステム構築
                   必要な機器、ソフトウエア 1000万円
                  ・このための人件費。
                   主任研究員20万円/人日×60人日  ~1200万円
                   研究員10万円/人日×60人日  ~600万円
                  ・QA案の作成
                   それらからQとあわせてAを70程度作成。 質問作成専門家?に意見を聞いてとりまとめ。
                   主任研究員20万円/人日×60人日  ~1200万円
                   研究員10万円/人日×60人日  ~600万円
                  ・委員への手当
                   1問あたりもっとも詳しそうな専門家に意見をきく(複数にきくと対立したりして面倒なので)。1問あたり5万円の手当。
                   50000円×64問 =320万
                  ・検討会議の開催
                   検討会議を5回程度開催。
                   1回あたり  (日給10万+交通費 )×5名 ~100万円
                    ×5回=500万円
                  ・報告書執筆、プロジェクト管理
                   主任研究員20万円/人日×40人日  ~800万円
                   研究員10万円/人日×40人日  ~400万円
                  ・計 7000万 程度。 


                   どのように見積もられ、実際に支出されたのか開示すべきである。


                  3)内容について
                  ・報告書およびそれを踏まえて公開されたQAはこちら。  
                   これをみても、いずれもどこかで公開されているようなQAの2番煎じ。 7000万円をかけるような内容ではない。


                  ・体系性のなさ
                   64問が羅列されているだけである。
                   基礎知識
                   原発事故とその経緯について
                   現状
                   今後の見通し
                   問い合わせ窓口
                    程度に分類すべき。


                  4)細かい点
                  ・どのように情報を収集したのか?
                   1日1000件に限定しているので、topsy.comを使ったっぽいが。


                  ・質問の例 p.22 以降
                   質問をつくるにあたって参考にした書き込みの出所ぐらいは明示すべき。


                  ・専門家 p.50にあるとおり
                   大場恭子(金沢工大)
                   金子正人(放射線影響協会顧問 →この人は過去には東電の原子力本部長だったようである)
                   北村正晴 おなじみ
                   工藤博司 おなじみ
                   笹川澄子  
                   どのようにしてこの人達を選んだのか基準ぐらいは示して欲しい。


                  ・100mSV以下ではわかっていないといういつもの回答 広島、長崎のデータでは 線形モデルが支持されているにもかかわらず。。。14報の概要参照


                  ・回答についてはその根拠を示すべきである。


                  ・疲れたのでこれくらいに。   


                  4.おまけ
                  1) ADK
                   平成23年度新エネルギー等設備導入促進事業(固定価格買取制度の理解促進事業) 1件 で2億も受注したようである。
                  2)天ぷら資料、天ぷらプロジェクト
                   官公庁からの仕事には、仕様さえ満たしたものを期日までに仕上げればいい、というタイプのプロジェクトもある。とにかく"あげればいい"ので、"天ぷら報告書"とか"天ぷらプロジェクト"とか呼んでいた。 このようなプロジェクトでは、期日と仕様さえ見かけ上満たしていれば内容はほぼ問われない。逆に言うと、仕様を満たしているかだけは、チェックするわけで、このプロジェクトで100問を満たしていないことは異常である。



                  5.意見
                   本事業の成果について国民の皆様からも様々なご意見をいただきながら、より良い放射線影響等に関する広報を目指して参ります。ご意見は、下記メ【放射線等に関するQ&A ご意見受付: qa-uketsuke@meti.go.jpールアドレスまでお寄せください。
                   とある。自分でチェックして意見を寄せるとよいでしょう。私もこれをメールしました。

                  2012年4月9日月曜日

                  環境省「放射性物質汚染対処特措法施行規則改正案について」  へのパブリックコメント 2012/4/9送信
                  0)改正法案の公開について
                   意見公募が短期間であるにもかかわらず、環境省での閲覧、郵送のみに限定している。改正前後の比較表をインターネット上で公開すべきである。
                  なぜそうしないのか、理由を明らかにすべきである。

                  1)受付期間について
                   重要な法案であるにもかかわらずパブコメ受付が1週間しかないのは不適切である。下記の規定に明らかに反する。
                  なお、意見提出が30日未満の場合のその理由 とある文書も公開されているが、なぜ不公正になるのか意味がわからないものである。
                  期間を30日以上とるべきである。

                  意見提出期間は、命令等の案の公示の日から起算して30日以上でなければならない。
                  http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/tetsuzukihou/iken_koubo.html

                  2)経緯について
                   警戒区域等内の空間線量の低い地域では、警戒区域等の解除前でも
                  事業活動が再開され、相当量の廃棄物が生ずることが想定される。

                   とあるが、このような廃棄物が生じる場所を、そもそも警戒区域等の解除 すべきではない。
                   もしくは国や原子力事業者が 処理をした後に 一般事業者に引き渡すべきである。
                   よって、このような想定をした本改訂は無意味である。

                  3)改訂内容について
                   上述のように手続きおよび内容においても改訂はすべきではないが、インターネットで公開されている概要の問題点についても指摘しておく。

                  ◯ 事業活動に伴い生じた廃棄物については、対策地域内廃棄物から除外し、
                  当該廃棄物を排出した事業者が、事業系一般廃棄物又は産業廃棄物として、
                  自ら処理を行うこととする。

                  ・事業者の定義の問題
                   以下において使用する用語は、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地
                  震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関
                  する特別措置法(平成23 年法律第110 号)において使用する用語の例による。

                  とある。しかし、同法
                  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H23/H23HO110.html
                  によると

                  原子力事業者
                  関係原子力事業者等
                  水道事業者
                  工業用水道事業者
                  の4種類が定義されているが、単に「事業者」は定義されていない。ここでいう事業者がどれを指すのかが不明である。一般的にはこれら以外の企業も事業者と呼ばれる。そもそも放出された放射性物質の処理は今回の場合、電気事業者である東京電力にある。事業者がこれに限定されるのであれば、この条文でも不都合は小さいが、企業などの一般事業者が含まれる場合には、電気事業者がおこなうべきことをさせることになり、法律的に不適切である。
                   さらに、医学的にも素人である事業者が処理することは不適切であることはいうまでもない。

                  ・「事業活動に伴い生じた廃棄物」
                   事業活動とは何を指すのか?工場を除染した結果の廃棄物、仕入れた原料が汚染されていた、など多様な原因があり得る。あまりにも規定が曖昧である。
                   
                  ・「事業系一般廃棄物」
                   として扱える放射線量が規定、明示されていない。
                    
                  ・「自ら処理」
                   どのような処理を想定しているのかが明示されていない。単にまとめて放置するのか、放射性物質として管理するのかなど、厳密な規定が必要である。
                   さらに処理をおこなった場合の費用の負担についても明示されていない。

                  ・関連法との不整合
                  放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律
                  原子炉等管理規制法
                  原子力賠償法
                   いずれも (放出された)放射性物質の管理、処理責任は原子力事業者にある。それを(一般の)事業者に行わせるということは、関連法とも不整合である。そのような変更をするとしたら、関連法を含めて充分な時間をとった議論を行うべきである。

                   以上、極めて不十分な内容であり、全面的に見直し、充分な時間をかけて議論すべきである。

                  2012年3月9日金曜日

                  「原子力の時代の終わりに向けて」
                  濱岡豊(2011) 「原子力の時代の終わりに向けて」「(慶応大学商学部)商学研究」, vol.54 , No. 4, pp. 83-115 (pdf)を公開しています。 こちらから。 (pdf 3MB程度)



                  要旨

                  福島第一における原発事故によって、原子力発電所の問題点が指摘されている。本稿では、原子力発電の原理について紹介した後、原子力におけるトラブル、技術的な課題、医学的な課題について概説した。その結果、核燃料サイクルは破綻していること、過去のトラブルにおいても想定外が多発していたこと、低線量被曝のデータはないというが、ガンによる死亡率について有意な影響を見いだした研究もあることがわかった。






                  上記論文の付録(リンク先)
                  原子力についての情報源として重要なものを紹介しておく。本文で述べたように、本稿では推進側のものを中心に整理する。


                  ・原子力委員会 http://www.aec.go.jp/
                   委員会開催の資料、議事録、原子力白書、原子力政策大綱など。
                   ・原子力安全委員会 http://www.nsc.go.jp/
                   委員会開催の資料、議事録、原子力安全白書、耐震基準指針など。
                  ・原子力安全・保安院 http://www.nisa.meti.go.jp/
                   プラントの状況など。
                   東京電力からの通報資料
                  http://www.nisa.meti.go.jp/oshirase/2011/06/230624-2.html
                   ・経済産業省  http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/release.html
                   ・資源エネルギー庁 http://www.enecho.meti.go.jp
                   エネルギー白書、エネルギー関連の統計など。
                   ・文部科学省 http://www.mext.go.jp/
                   放射線モニタリング情報、原子力損害賠償委員会、放射線審議会、研究炉を中心とした原子力安全。

                  ・東京電力 http://www.tepco.co.jp
                   ニュースリリース、会見資料など。
                   発生時プラントデータ
                  http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/index10-j.html
                   被災直後の対応状況について
                  http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110618l.pdf

                  ・原子力発電環境整備機構   最終処理場の事業主体。
                  http://www.numo.or.jp/
                   ・電力事業者連合(電事連) http://www.fepc.or.jp/
                   原子力・エネルギー図面集 などに電力関連の基礎データがある。

                  ・原子力産業協会(旧原子力産業会議) http://www.jaif.or.jp/
                   原子力年鑑、原子力産業実態調査など。

                  ・日本原子力開発機構(旧原子力研究所、旧動燃などが統合されたもの)
                  http://www.jaea.go.jp
                   もんじゅ、瑞浪、幌延深地層研究センター、JDPRなどの研究開発を進めてきた。

                  ・日本原子力学会  www.aesj.or.jp/
                   学会誌20116月号には福島事故の解説など。
                  http://www.aesj.or.jp/atomos/tachiyomi/2011-06mokuji.pdf
                   スリーマイル、チェルノブイリについての解説論文
                  http://www.aesj.or.jp/atomos/tachiyomi/gakkaishi_archive/archive.html

                  UNSCEAR(United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation) によるチェルノブイリ関連レポート
                  http://www.unscear.org/unscear/en/chernobyl.html
                   最新のレポート
                  http://www.unscear.org/docs/reports/2008/11-80076_Report_2008_Annex_D.pdf

                  IAEA(International Atomic Energy Agency)
                   チェルノブイリ研究
                   http://www.iaea.org/newscenter/focus/chernobyl/index.html
                   福島についての状況(ただし、20116月以降未更新)
                  http://www.iaea.org/newscenter/news/tsunamiupdate01.html

                  IAEAにおけるストレステスト。二次レビューは他国に行わせるようにしている。日本でもその点は見習うべきである。

                  ・原子力安全基盤機構  http://www.atomdb.jnes.go.jp/
                  原子力安全基盤機構「(原子力発電所)国内トラブル情報データベース」
                  原子力施設運転管理年報

                  ・原子力安全協会 NUCIA
                  http://www.nucia.jp/
                   原子力技術協会によるトラブルデータベース

                  ・放射線影響研究所(旧原爆調査委員会:ABCCなどから改組) http://rerf.org
                  http://www.rerf.or.jp/library/dl/index.html からデータのダウンロード可能。

                  ()放射線影響協会 http://www.rea.or.jp/
                   被曝線量の登録管理、原子力発電所従事者疫学調査報告書など

                  BIER VII-phase 2報告書
                  http://www.nap.edu/catalog/11340.htm
                   ユーザー登録すれば無料でpdfダウンロード可能。

                  Radiation Research 誌 http://www.rrjournal.org/
                  Radiation Research Societyのジャーナル。原爆データの報告論文はここを中心に掲載されている。慶應では雑誌版、オンライン版ともに信濃町キャンパス医学部図書館所蔵。

                  ・事故調査委員会
                  東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
                  http://icanps.go.jp/
                  JCO ウラン加工工場臨界事故調査委員会報告
                  http://www.nsc.go.jp/anzen/sonota/uran/siryo11.htm

                  ・原子力用語事典ATOMICA http://www.rist.or.jp/atomica 付録
                   原子力についての情報源として重要なものを紹介しておく。本文で述べたように、本稿では推進側のものを中心に整理する。

                   以下、現状を把握するために有用な情報源を挙げる。

                  ・福島原発関連のパラメータを自動収集しグラフ化  http://atmc.jp/

                  ・東京電力、保安院、統合会見などのインターネット中継。
                   マスコミでは流れない、生の中継をみることができる。
                   ・ニコニコ生放送  http://live.nicovideo.jp/
                   ・IWJ http://www.ustream.tv/user/iwakamiyasumi


                  2012年2月21日火曜日

                  福島県民 健康調査について 情報収集
                  福島県 健康管理調査室 がとりまとめ。
                       県民健康管理調査について  お知らせのページ
                       県民健康管理調査検討委員会 この下に各種資料

                  ・調査票について
                   第3回配付資料 当日配布資料  調査票に取り入れる項目案など
                     こころの健康については下記のような項目。(WHO 2006)を参照した。 
                   "4歳~中学生には SDQ (Strengths and Difficulties Questionnaire)、15 歳以上には、全般的精神健康状態 については K6 (Kessler, 2003)、トラウマ症状については PCL (PTSD Checklist Stressor Specific Version, Weathers, 1994)"

                  ・基本調査調査票 は公開されている
                  http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/monshin.pdf

                  ・詳細調査 福島県立医科大学
                   地域のみなさまへ - 県民健康管理調査 / 公立大学法人 福島県立医科大学
                   詳細調査(こころ、妊婦)調査票 5カ国語版 やさしい日本語もあるが、普通の日本語版がみあたらない。

                  参考)調査項目のワーディング(やさしい日本語、大人版)への疑問
                  Q14.2011ねん3がつ11にちの じしんの ことを ききます。
                  1) あなたが ほんとうに たいへんだったのは どれですか。たいへんだった もの ぜんぶに ✔を かいて ください。
                  1□ じしん
                  2□ つなみ
                  3□ げんぱつじこ(ばくはつの おとを ききました)
                  4□ なにも ありません

                   

                  ?? 爆発の音をきいていないが げんぱつじこ を大変だと思った人はどうするのか?

                  ・「県民健康管理調査」進捗状況発表(平成23年12月13日発表)
                     詳細資料  原発に近い3町村では回収率50% 全県では17% 

                     
                  ・県民健康管理調査」基本調査の外部被ばく線量の推計結果(第2報)(平成24年2月20日発表)pdf資料

                  2012年2月20日月曜日

                   国家戦略室 - 政策 - コスト等検証委員会  call for evidence情報提供 2011/2/20 
                  国家戦略室 - 政策 - 発電コスト試算シート の自由度向上版 こちら の数値を下記のように変更。
                  (2-2)

                  *稼働率

                  戒能 一成 (2009)原子力発電所の稼働率・トラブル発生率に関する日米比較分析
                  http://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/09120006.html

                  近年の平均稼働率は60%台
                  万が一、今後稼働するとしても規制などが厳しくなること、老朽化が進むことから50%程度と想定することが適当。

                  それだけでも 8.9(円/kWh)→ 11.3(円/kWh)


                  *廃炉期間、費用

                  利用が終わった原子炉の解体も重要である。日 本では旧原子力研究所の試験研究用 BWR 炉であ る JDPR(熱出力90MW)の解体が行われた。1963 年に初臨界,1976年 3 月に運転を終了,1982年か ら解体が開始された。当初は10年計画であったが, 15年計画に延長され,1995年の跡地の整地までに 13年を要した
                   原子力安全基盤機構(2009),平成20年度廃止措置に関する調査報告書【別冊】廃止措置ハンド ブック: http://www.jnes.go.jp/content/000014750.pdf


                   現在,1966年に運転を開始し,1998年 3 月に営 業運転を停止した商業炉東海発電所(出力16.6万 kw)の解体が20年間の予定で行われている
                    日本原子力発電(株)HP「ホーム>パイオニアとしての取り組み>東海発電所の廃止」
                  http://www.japc.co.jp/project/haishi/construction.htmlconstruction.html

                  費 用としては885億円が見込まれている。
                    原子力安全基盤機構(2009),平成20年度廃止 措置に関する調査報告書【別冊】廃止措置ハンド ブック: http://www.jnes.go.jp/content/000014750.pdf , p.111


                   以上より、7年とあるが、これら小型炉でも10年以上。保守的にみても20年はかかかる。
                   費用については、16.6万 kwの東海でも885億。120万kwであれば出力に単純に比例するとして、120/16.6*885=7084億
                   規模の効果が働く可能性がある一方で、期間が長くなることから割引率を勘案して この値とする。

                   これで 12.2(円/kWh)


                  *損害
                   損害想定額 5.8兆円とあるが、
                   大島による 東京電力に関する経営・財務調査委員会報告書 まとめ(大島「原発のコスト」岩波書店, p.42-43)によると、除染、5年後以降含まない段階ですら8.9兆円。

                   廃炉費用は無事故で終了したものの費用だが、事故をした場合のことも考慮してここに参入する。


                   スリーマイルは原子炉の外部形状には影響がなかった事故であり破壊はほとんどされていない。このため、スリー マイル島 2 号機では格納容器などは解体されず, そのまま残されている。それであっても、9.73億ドルの費用を要した。
                  American Nuclear Society“The TMI-2 Cleanup: Challenging and Successful”http://www.ans.org/pi/resources/sptopics/ tmi/cleanup.html

                   下記にあるように、チェルノブイリでは割引率を考えなければ1兆円。実際に割り引くとしても、2兆円は必要であろう。

                   チェルノブイリ100年間 年間100億円
                  ソ連時代の1986年、爆発事故を起こしたウクライナ・チェルノブイリ原発の管理当局のボブロ第一副局長は28日、同原発の解体までに「100年かかる」と述べ、原発事故の処理の困難さをあらためて強調した。タス通信などが伝えた。
                   チェルノブイリ原発事故では、爆発した4号機をコンクリート製の「石棺」で覆ったが、石棺内には依然、大量の放射性物質が残存し、外部流出の懸念が消えていない。
                   ボブロ氏は高濃度の汚染や、石棺の老朽化を挙げ、解体に向けた今後の作業に「毎年1億2500万ドル(約102億円)はかかる」と語った。同氏によると、ウクライナ政府は昨年9月から新たな石棺の建設事業に着手。2015年の完成を目指すが、巨額の資金調達が課題となっている。
                  http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2011033002100004.html


                  ということで、当初の5.8兆の4倍を算入しておく
                  さらに積立期間は、新規立地はないので、残りの平均寿命20年を代入する。

                  これで  15.9 円/kw

                  各種費用は上にも紹介したように、当初見込みより高くなる。これでもかなり保守的な見積もりである。
                  以上