2012年2月20日月曜日

 国家戦略室 - 政策 - コスト等検証委員会  call for evidence情報提供 2011/2/20 
国家戦略室 - 政策 - 発電コスト試算シート の自由度向上版 こちら の数値を下記のように変更。
(2-2)

*稼働率

戒能 一成 (2009)原子力発電所の稼働率・トラブル発生率に関する日米比較分析
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/09120006.html

近年の平均稼働率は60%台
万が一、今後稼働するとしても規制などが厳しくなること、老朽化が進むことから50%程度と想定することが適当。

それだけでも 8.9(円/kWh)→ 11.3(円/kWh)


*廃炉期間、費用

利用が終わった原子炉の解体も重要である。日 本では旧原子力研究所の試験研究用 BWR 炉であ る JDPR(熱出力90MW)の解体が行われた。1963 年に初臨界,1976年 3 月に運転を終了,1982年か ら解体が開始された。当初は10年計画であったが, 15年計画に延長され,1995年の跡地の整地までに 13年を要した
 原子力安全基盤機構(2009),平成20年度廃止措置に関する調査報告書【別冊】廃止措置ハンド ブック: http://www.jnes.go.jp/content/000014750.pdf


 現在,1966年に運転を開始し,1998年 3 月に営 業運転を停止した商業炉東海発電所(出力16.6万 kw)の解体が20年間の予定で行われている
  日本原子力発電(株)HP「ホーム>パイオニアとしての取り組み>東海発電所の廃止」
http://www.japc.co.jp/project/haishi/construction.htmlconstruction.html

費 用としては885億円が見込まれている。
  原子力安全基盤機構(2009),平成20年度廃止 措置に関する調査報告書【別冊】廃止措置ハンド ブック: http://www.jnes.go.jp/content/000014750.pdf , p.111


 以上より、7年とあるが、これら小型炉でも10年以上。保守的にみても20年はかかかる。
 費用については、16.6万 kwの東海でも885億。120万kwであれば出力に単純に比例するとして、120/16.6*885=7084億
 規模の効果が働く可能性がある一方で、期間が長くなることから割引率を勘案して この値とする。

 これで 12.2(円/kWh)


*損害
 損害想定額 5.8兆円とあるが、
 大島による 東京電力に関する経営・財務調査委員会報告書 まとめ(大島「原発のコスト」岩波書店, p.42-43)によると、除染、5年後以降含まない段階ですら8.9兆円。

 廃炉費用は無事故で終了したものの費用だが、事故をした場合のことも考慮してここに参入する。


 スリーマイルは原子炉の外部形状には影響がなかった事故であり破壊はほとんどされていない。このため、スリー マイル島 2 号機では格納容器などは解体されず, そのまま残されている。それであっても、9.73億ドルの費用を要した。
American Nuclear Society“The TMI-2 Cleanup: Challenging and Successful”http://www.ans.org/pi/resources/sptopics/ tmi/cleanup.html

 下記にあるように、チェルノブイリでは割引率を考えなければ1兆円。実際に割り引くとしても、2兆円は必要であろう。

 チェルノブイリ100年間 年間100億円
ソ連時代の1986年、爆発事故を起こしたウクライナ・チェルノブイリ原発の管理当局のボブロ第一副局長は28日、同原発の解体までに「100年かかる」と述べ、原発事故の処理の困難さをあらためて強調した。タス通信などが伝えた。
 チェルノブイリ原発事故では、爆発した4号機をコンクリート製の「石棺」で覆ったが、石棺内には依然、大量の放射性物質が残存し、外部流出の懸念が消えていない。
 ボブロ氏は高濃度の汚染や、石棺の老朽化を挙げ、解体に向けた今後の作業に「毎年1億2500万ドル(約102億円)はかかる」と語った。同氏によると、ウクライナ政府は昨年9月から新たな石棺の建設事業に着手。2015年の完成を目指すが、巨額の資金調達が課題となっている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2011033002100004.html


ということで、当初の5.8兆の4倍を算入しておく
さらに積立期間は、新規立地はないので、残りの平均寿命20年を代入する。

これで  15.9 円/kw

各種費用は上にも紹介したように、当初見込みより高くなる。これでもかなり保守的な見積もりである。
以上