2012年4月29日日曜日




参考)疫学入門  いずれも全文無料でpdfダウンロード可能


上田昌文小牧史枝 「素人のための疫学入門市民科学研講義録 プレゼンテーション資料+解説 pdf 


・木原雅子,木原正博監訳 (2008), WHOの標準疫学: 三煌社   http://whqlibdoc.who.int/publications/2006/9241547073_jpn.pdf

・Chongsuvivatwong, Virasakdi (2007), "Analysis of epidemiolo data using R and Epicalc."   http://cran.r-project.org/doc/contrib/Epicalc_Book.pdf  RのEpicalcをつかった入門→ポアソン回帰まで


・古いがガンの統計分析のバイブル的なものらしい2冊 Amazonでは「書籍」は有料で販売されている。
Breslow, N. E.  and N. E. Day (ed.) (1987), Statistical Methods in Cancer Research Vol. I: IARC Scientific Publications No. 32

Breslow, N. E.  and N. E. Day (ed.) (1987), Statistical Methods in Cancer Research - Volume II - The Design and Analysis of Cohort Studies: IARC Scientific Publications No. 82

上記2冊の著者 BreslowのHP データのダウンロード可能 http://faculty.washington.edu/norm/datasets.html



2012年4月10日火曜日


平成23年度 資源エネルギー庁が平成23年度第一次補正予算で実施した原子力安全規制広聴・広報事業  事業報告書 について  2012/4/10 送信

 昨日みたときはこのページからリンクがはってあったが、現在はなくなっている。幸いにもダウンロードしていたので、ここに公開する。    
 これは3/31に書き始めたもの。その後再公開されたので、報告書についてはここを参照。 それを踏まえて公開されたQAはこちら。


1.背景情報 
 このプロジェクトにはもちろん何の関係もないが、東大原子力で修士終了後、野村総研で3年程度勤務。官公庁のプロジェクトも担当。博士課程などを経て現在は慶應でマーケティング担当。対面でのクチコミ、インターネット上での書き込みなどのeクチコミは研究テーマの柱の一つ。例えば最近のこれを参照。クローリング(キーワードサーチして、ヒットしたコンテンツをダウンロード。そこから必要な部分を切り出すこと)も自分でしている。 官庁の仕事もしたので、仕組みはだいたい推測できる。


2.この事業の入札公告
 仕様書をみると、事業開始から1ヶ月程度で30問以上、事業終了時までには100問以上のQ&A集を作成すること。」とある。


3.問題点
 インターネット上の情報を検閲しているかのようにもとられるプロジェクトであるという根本的な問題がある。これはひとまずおいて、いくつかの問題を指摘する。


1)成果物の仕様違反
 仕様書には上にあるように100問以上を作成するとある。しかし、この報告書には60問程度しか設定されていない。明らかに仕様を満たしていない仕様違反である。
  下記の天ぷら報告書 の項も参照

2)入札時の評価項目
 事業従事予定者に、事業内容に関する専門知識・ノウハウ等があるか。
  →アサツーDK ADK(旭通信社と大広という代理店が合併もしくは持ち株設立)に放射線についての専門的な知識があるはずはない。  



3)過大な費用
 ・7400万円で落札したとある。 
  野村も別プロジェクトを同じ時期に落札しているよう。 
 それなりに知識のある良心的な者を招集すれば200万円もあれば十分できる内容。明らかに過大な金額。


(1)謙虚な見積もり例
 ・データの収集、整理
キーワードを指定してクローリング。簡単に分類集計。グラフ作成。
それなりのスキルが必要なので。単価を高めに。
 2万円/人日×30人日  ~60万円


・QA案の作成 それらからQとあわせてAを70程度作成。
 質問作成専門家?に意見を聞いてとりまとめ。
 1万円/人日×70人日  ~70万円   →多分どこかの院生をバイトで使用


・委員への手当
 1問あたりもっとも詳しそうな専門家に意見をきく(複数にきくと対立したりして面倒なので)。
 1問あたり5000円の手当。
 5000円×64問 =32万


・検討会議の開催
 1日のみ回答作成専門家を招集して検討会開催。
 (日給2万+交通費 )×5名 ~20万円 程度


・報告書執筆、プロジェクト管理
 1万円/人日×20人日  ~20万円
計 200万 程度。 


(2)過大な見積もり例
・データの収集、検索、収集のためのシステム構築
 必要な機器、ソフトウエア 1000万円
・このための人件費。
 主任研究員20万円/人日×60人日  ~1200万円
 研究員10万円/人日×60人日  ~600万円
・QA案の作成
 それらからQとあわせてAを70程度作成。 質問作成専門家?に意見を聞いてとりまとめ。
 主任研究員20万円/人日×60人日  ~1200万円
 研究員10万円/人日×60人日  ~600万円
・委員への手当
 1問あたりもっとも詳しそうな専門家に意見をきく(複数にきくと対立したりして面倒なので)。1問あたり5万円の手当。
 50000円×64問 =320万
・検討会議の開催
 検討会議を5回程度開催。
 1回あたり  (日給10万+交通費 )×5名 ~100万円
  ×5回=500万円
・報告書執筆、プロジェクト管理
 主任研究員20万円/人日×40人日  ~800万円
 研究員10万円/人日×40人日  ~400万円
・計 7000万 程度。 


 どのように見積もられ、実際に支出されたのか開示すべきである。


3)内容について
・報告書およびそれを踏まえて公開されたQAはこちら。  
 これをみても、いずれもどこかで公開されているようなQAの2番煎じ。 7000万円をかけるような内容ではない。


・体系性のなさ
 64問が羅列されているだけである。
 基礎知識
 原発事故とその経緯について
 現状
 今後の見通し
 問い合わせ窓口
  程度に分類すべき。


4)細かい点
・どのように情報を収集したのか?
 1日1000件に限定しているので、topsy.comを使ったっぽいが。


・質問の例 p.22 以降
 質問をつくるにあたって参考にした書き込みの出所ぐらいは明示すべき。


・専門家 p.50にあるとおり
 大場恭子(金沢工大)
 金子正人(放射線影響協会顧問 →この人は過去には東電の原子力本部長だったようである)
 北村正晴 おなじみ
 工藤博司 おなじみ
 笹川澄子  
 どのようにしてこの人達を選んだのか基準ぐらいは示して欲しい。


・100mSV以下ではわかっていないといういつもの回答 広島、長崎のデータでは 線形モデルが支持されているにもかかわらず。。。14報の概要参照


・回答についてはその根拠を示すべきである。


・疲れたのでこれくらいに。   


4.おまけ
1) ADK
 平成23年度新エネルギー等設備導入促進事業(固定価格買取制度の理解促進事業) 1件 で2億も受注したようである。
2)天ぷら資料、天ぷらプロジェクト
 官公庁からの仕事には、仕様さえ満たしたものを期日までに仕上げればいい、というタイプのプロジェクトもある。とにかく"あげればいい"ので、"天ぷら報告書"とか"天ぷらプロジェクト"とか呼んでいた。 このようなプロジェクトでは、期日と仕様さえ見かけ上満たしていれば内容はほぼ問われない。逆に言うと、仕様を満たしているかだけは、チェックするわけで、このプロジェクトで100問を満たしていないことは異常である。



5.意見
 本事業の成果について国民の皆様からも様々なご意見をいただきながら、より良い放射線影響等に関する広報を目指して参ります。ご意見は、下記メ【放射線等に関するQ&A ご意見受付: qa-uketsuke@meti.go.jpールアドレスまでお寄せください。
 とある。自分でチェックして意見を寄せるとよいでしょう。私もこれをメールしました。

2012年4月9日月曜日

環境省「放射性物質汚染対処特措法施行規則改正案について」  へのパブリックコメント 2012/4/9送信
0)改正法案の公開について
 意見公募が短期間であるにもかかわらず、環境省での閲覧、郵送のみに限定している。改正前後の比較表をインターネット上で公開すべきである。
なぜそうしないのか、理由を明らかにすべきである。

1)受付期間について
 重要な法案であるにもかかわらずパブコメ受付が1週間しかないのは不適切である。下記の規定に明らかに反する。
なお、意見提出が30日未満の場合のその理由 とある文書も公開されているが、なぜ不公正になるのか意味がわからないものである。
期間を30日以上とるべきである。

意見提出期間は、命令等の案の公示の日から起算して30日以上でなければならない。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/tetsuzukihou/iken_koubo.html

2)経緯について
 警戒区域等内の空間線量の低い地域では、警戒区域等の解除前でも
事業活動が再開され、相当量の廃棄物が生ずることが想定される。

 とあるが、このような廃棄物が生じる場所を、そもそも警戒区域等の解除 すべきではない。
 もしくは国や原子力事業者が 処理をした後に 一般事業者に引き渡すべきである。
 よって、このような想定をした本改訂は無意味である。

3)改訂内容について
 上述のように手続きおよび内容においても改訂はすべきではないが、インターネットで公開されている概要の問題点についても指摘しておく。

◯ 事業活動に伴い生じた廃棄物については、対策地域内廃棄物から除外し、
当該廃棄物を排出した事業者が、事業系一般廃棄物又は産業廃棄物として、
自ら処理を行うこととする。

・事業者の定義の問題
 以下において使用する用語は、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地
震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関
する特別措置法(平成23 年法律第110 号)において使用する用語の例による。

とある。しかし、同法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H23/H23HO110.html
によると

原子力事業者
関係原子力事業者等
水道事業者
工業用水道事業者
の4種類が定義されているが、単に「事業者」は定義されていない。ここでいう事業者がどれを指すのかが不明である。一般的にはこれら以外の企業も事業者と呼ばれる。そもそも放出された放射性物質の処理は今回の場合、電気事業者である東京電力にある。事業者がこれに限定されるのであれば、この条文でも不都合は小さいが、企業などの一般事業者が含まれる場合には、電気事業者がおこなうべきことをさせることになり、法律的に不適切である。
 さらに、医学的にも素人である事業者が処理することは不適切であることはいうまでもない。

・「事業活動に伴い生じた廃棄物」
 事業活動とは何を指すのか?工場を除染した結果の廃棄物、仕入れた原料が汚染されていた、など多様な原因があり得る。あまりにも規定が曖昧である。
 
・「事業系一般廃棄物」
 として扱える放射線量が規定、明示されていない。
  
・「自ら処理」
 どのような処理を想定しているのかが明示されていない。単にまとめて放置するのか、放射性物質として管理するのかなど、厳密な規定が必要である。
 さらに処理をおこなった場合の費用の負担についても明示されていない。

・関連法との不整合
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律
原子炉等管理規制法
原子力賠償法
 いずれも (放出された)放射性物質の管理、処理責任は原子力事業者にある。それを(一般の)事業者に行わせるということは、関連法とも不整合である。そのような変更をするとしたら、関連法を含めて充分な時間をとった議論を行うべきである。

 以上、極めて不十分な内容であり、全面的に見直し、充分な時間をかけて議論すべきである。

2012年3月9日金曜日

「原子力の時代の終わりに向けて」
濱岡豊(2011) 「原子力の時代の終わりに向けて」「(慶応大学商学部)商学研究」, vol.54 , No. 4, pp. 83-115 (pdf)を公開しています。 こちらから。 (pdf 3MB程度)



要旨

福島第一における原発事故によって、原子力発電所の問題点が指摘されている。本稿では、原子力発電の原理について紹介した後、原子力におけるトラブル、技術的な課題、医学的な課題について概説した。その結果、核燃料サイクルは破綻していること、過去のトラブルにおいても想定外が多発していたこと、低線量被曝のデータはないというが、ガンによる死亡率について有意な影響を見いだした研究もあることがわかった。






上記論文の付録(リンク先)
原子力についての情報源として重要なものを紹介しておく。本文で述べたように、本稿では推進側のものを中心に整理する。


・原子力委員会 http://www.aec.go.jp/
 委員会開催の資料、議事録、原子力白書、原子力政策大綱など。
 ・原子力安全委員会 http://www.nsc.go.jp/
 委員会開催の資料、議事録、原子力安全白書、耐震基準指針など。
・原子力安全・保安院 http://www.nisa.meti.go.jp/
 プラントの状況など。
 東京電力からの通報資料
http://www.nisa.meti.go.jp/oshirase/2011/06/230624-2.html
 ・経済産業省  http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/release.html
 ・資源エネルギー庁 http://www.enecho.meti.go.jp
 エネルギー白書、エネルギー関連の統計など。
 ・文部科学省 http://www.mext.go.jp/
 放射線モニタリング情報、原子力損害賠償委員会、放射線審議会、研究炉を中心とした原子力安全。

・東京電力 http://www.tepco.co.jp
 ニュースリリース、会見資料など。
 発生時プラントデータ
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/index10-j.html
 被災直後の対応状況について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110618l.pdf

・原子力発電環境整備機構   最終処理場の事業主体。
http://www.numo.or.jp/
 ・電力事業者連合(電事連) http://www.fepc.or.jp/
 原子力・エネルギー図面集 などに電力関連の基礎データがある。

・原子力産業協会(旧原子力産業会議) http://www.jaif.or.jp/
 原子力年鑑、原子力産業実態調査など。

・日本原子力開発機構(旧原子力研究所、旧動燃などが統合されたもの)
http://www.jaea.go.jp
 もんじゅ、瑞浪、幌延深地層研究センター、JDPRなどの研究開発を進めてきた。

・日本原子力学会  www.aesj.or.jp/
 学会誌20116月号には福島事故の解説など。
http://www.aesj.or.jp/atomos/tachiyomi/2011-06mokuji.pdf
 スリーマイル、チェルノブイリについての解説論文
http://www.aesj.or.jp/atomos/tachiyomi/gakkaishi_archive/archive.html

UNSCEAR(United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation) によるチェルノブイリ関連レポート
http://www.unscear.org/unscear/en/chernobyl.html
 最新のレポート
http://www.unscear.org/docs/reports/2008/11-80076_Report_2008_Annex_D.pdf

IAEA(International Atomic Energy Agency)
 チェルノブイリ研究
 http://www.iaea.org/newscenter/focus/chernobyl/index.html
 福島についての状況(ただし、20116月以降未更新)
http://www.iaea.org/newscenter/news/tsunamiupdate01.html

IAEAにおけるストレステスト。二次レビューは他国に行わせるようにしている。日本でもその点は見習うべきである。

・原子力安全基盤機構  http://www.atomdb.jnes.go.jp/
原子力安全基盤機構「(原子力発電所)国内トラブル情報データベース」
原子力施設運転管理年報

・原子力安全協会 NUCIA
http://www.nucia.jp/
 原子力技術協会によるトラブルデータベース

・放射線影響研究所(旧原爆調査委員会:ABCCなどから改組) http://rerf.org
http://www.rerf.or.jp/library/dl/index.html からデータのダウンロード可能。

()放射線影響協会 http://www.rea.or.jp/
 被曝線量の登録管理、原子力発電所従事者疫学調査報告書など

BIER VII-phase 2報告書
http://www.nap.edu/catalog/11340.htm
 ユーザー登録すれば無料でpdfダウンロード可能。

Radiation Research 誌 http://www.rrjournal.org/
Radiation Research Societyのジャーナル。原爆データの報告論文はここを中心に掲載されている。慶應では雑誌版、オンライン版ともに信濃町キャンパス医学部図書館所蔵。

・事故調査委員会
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
http://icanps.go.jp/
JCO ウラン加工工場臨界事故調査委員会報告
http://www.nsc.go.jp/anzen/sonota/uran/siryo11.htm

・原子力用語事典ATOMICA http://www.rist.or.jp/atomica 付録
 原子力についての情報源として重要なものを紹介しておく。本文で述べたように、本稿では推進側のものを中心に整理する。

 以下、現状を把握するために有用な情報源を挙げる。

・福島原発関連のパラメータを自動収集しグラフ化  http://atmc.jp/

・東京電力、保安院、統合会見などのインターネット中継。
 マスコミでは流れない、生の中継をみることができる。
 ・ニコニコ生放送  http://live.nicovideo.jp/
 ・IWJ http://www.ustream.tv/user/iwakamiyasumi


2012年2月21日火曜日

福島県民 健康調査について 情報収集
福島県 健康管理調査室 がとりまとめ。
     県民健康管理調査について  お知らせのページ
     県民健康管理調査検討委員会 この下に各種資料

・調査票について
 第3回配付資料 当日配布資料  調査票に取り入れる項目案など
   こころの健康については下記のような項目。(WHO 2006)を参照した。 
 "4歳~中学生には SDQ (Strengths and Difficulties Questionnaire)、15 歳以上には、全般的精神健康状態 については K6 (Kessler, 2003)、トラウマ症状については PCL (PTSD Checklist Stressor Specific Version, Weathers, 1994)"

・基本調査調査票 は公開されている
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/monshin.pdf

・詳細調査 福島県立医科大学
 地域のみなさまへ - 県民健康管理調査 / 公立大学法人 福島県立医科大学
 詳細調査(こころ、妊婦)調査票 5カ国語版 やさしい日本語もあるが、普通の日本語版がみあたらない。

参考)調査項目のワーディング(やさしい日本語、大人版)への疑問
Q14.2011ねん3がつ11にちの じしんの ことを ききます。
1) あなたが ほんとうに たいへんだったのは どれですか。たいへんだった もの ぜんぶに ✔を かいて ください。
1□ じしん
2□ つなみ
3□ げんぱつじこ(ばくはつの おとを ききました)
4□ なにも ありません

 

?? 爆発の音をきいていないが げんぱつじこ を大変だと思った人はどうするのか?

・「県民健康管理調査」進捗状況発表(平成23年12月13日発表)
   詳細資料  原発に近い3町村では回収率50% 全県では17% 

   
・県民健康管理調査」基本調査の外部被ばく線量の推計結果(第2報)(平成24年2月20日発表)pdf資料

2012年2月20日月曜日

 国家戦略室 - 政策 - コスト等検証委員会  call for evidence情報提供 2011/2/20 
国家戦略室 - 政策 - 発電コスト試算シート の自由度向上版 こちら の数値を下記のように変更。
(2-2)

*稼働率

戒能 一成 (2009)原子力発電所の稼働率・トラブル発生率に関する日米比較分析
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/09120006.html

近年の平均稼働率は60%台
万が一、今後稼働するとしても規制などが厳しくなること、老朽化が進むことから50%程度と想定することが適当。

それだけでも 8.9(円/kWh)→ 11.3(円/kWh)


*廃炉期間、費用

利用が終わった原子炉の解体も重要である。日 本では旧原子力研究所の試験研究用 BWR 炉であ る JDPR(熱出力90MW)の解体が行われた。1963 年に初臨界,1976年 3 月に運転を終了,1982年か ら解体が開始された。当初は10年計画であったが, 15年計画に延長され,1995年の跡地の整地までに 13年を要した
 原子力安全基盤機構(2009),平成20年度廃止措置に関する調査報告書【別冊】廃止措置ハンド ブック: http://www.jnes.go.jp/content/000014750.pdf


 現在,1966年に運転を開始し,1998年 3 月に営 業運転を停止した商業炉東海発電所(出力16.6万 kw)の解体が20年間の予定で行われている
  日本原子力発電(株)HP「ホーム>パイオニアとしての取り組み>東海発電所の廃止」
http://www.japc.co.jp/project/haishi/construction.htmlconstruction.html

費 用としては885億円が見込まれている。
  原子力安全基盤機構(2009),平成20年度廃止 措置に関する調査報告書【別冊】廃止措置ハンド ブック: http://www.jnes.go.jp/content/000014750.pdf , p.111


 以上より、7年とあるが、これら小型炉でも10年以上。保守的にみても20年はかかかる。
 費用については、16.6万 kwの東海でも885億。120万kwであれば出力に単純に比例するとして、120/16.6*885=7084億
 規模の効果が働く可能性がある一方で、期間が長くなることから割引率を勘案して この値とする。

 これで 12.2(円/kWh)


*損害
 損害想定額 5.8兆円とあるが、
 大島による 東京電力に関する経営・財務調査委員会報告書 まとめ(大島「原発のコスト」岩波書店, p.42-43)によると、除染、5年後以降含まない段階ですら8.9兆円。

 廃炉費用は無事故で終了したものの費用だが、事故をした場合のことも考慮してここに参入する。


 スリーマイルは原子炉の外部形状には影響がなかった事故であり破壊はほとんどされていない。このため、スリー マイル島 2 号機では格納容器などは解体されず, そのまま残されている。それであっても、9.73億ドルの費用を要した。
American Nuclear Society“The TMI-2 Cleanup: Challenging and Successful”http://www.ans.org/pi/resources/sptopics/ tmi/cleanup.html

 下記にあるように、チェルノブイリでは割引率を考えなければ1兆円。実際に割り引くとしても、2兆円は必要であろう。

 チェルノブイリ100年間 年間100億円
ソ連時代の1986年、爆発事故を起こしたウクライナ・チェルノブイリ原発の管理当局のボブロ第一副局長は28日、同原発の解体までに「100年かかる」と述べ、原発事故の処理の困難さをあらためて強調した。タス通信などが伝えた。
 チェルノブイリ原発事故では、爆発した4号機をコンクリート製の「石棺」で覆ったが、石棺内には依然、大量の放射性物質が残存し、外部流出の懸念が消えていない。
 ボブロ氏は高濃度の汚染や、石棺の老朽化を挙げ、解体に向けた今後の作業に「毎年1億2500万ドル(約102億円)はかかる」と語った。同氏によると、ウクライナ政府は昨年9月から新たな石棺の建設事業に着手。2015年の完成を目指すが、巨額の資金調達が課題となっている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2011033002100004.html


ということで、当初の5.8兆の4倍を算入しておく
さらに積立期間は、新規立地はないので、残りの平均寿命20年を代入する。

これで  15.9 円/kw

各種費用は上にも紹介したように、当初見込みより高くなる。これでもかなり保守的な見積もりである。
以上
 

2012年2月15日水曜日

食品の基準値導出について(pdf) へのコメント→下に問い合わせた結果も追加

1)パラメータの設定について
安全側に評価するとして、核種の存在比率については最大値を用いている。これについては評価したい。一方、土壌から農作物への移行係数(作物別)については、複数の作物がある場合には、「幾何平均」が用いられている(同pdf、p.5)。脚注にあるように、作物別の移行係数にはばらつきがおおきく、対数をとらないと正規分布にならないためである。

上記資料で引用されている放医研などのデータは発見できなかったが、旧原研の生物圏評価のための土壌から農作物への 移行係数に関するデータベース によると、Cs-コメの移行係数は196のデータがあり、最小で4e-5,最大で4.8e-1まで10000倍オーダーのばらつきがある(同,Table I-1)。このような場合には、幾何平均を用いると、リスクを過小評価する可能性が高くなる。最大リスクを想定するのであれば、最大値を用いる方が適切である。

この係数は、摂取量に重み付けられるが、穀物なども含む食料の大部分を含むものであり、幾何平均ではなく、最大値、中央値、幾何平均など、用いる値によって結果が大きくかわる可能性が高い。少なくとも、資料には下表に示されている程度の統計量を表示すべきである。


出所)落合透, 武田聖司, & 木村英雄. 2009..生物圏評価のための土壌から農作物への 移行係数に関するデータベース 日本原子力研究開発機構

2)感度分析の必要性
このようにパラメータの不確実性がある場合には、それらの値を変更したときにアウトプットがどの程度変化するのかを調べるべきである。このような作業は「感度分析」と呼ばれる。
パラメータの明示、それらを変化させたときの最大のリスクを明示した上でリスクもしくは基準値を決定すべきである。


蛇足?)パラメータの算出について
核種の対Cs137濃度比については、下記のような図が掲載されている。測定値を用いてその「傾き」から推定しているようにみえる。図にみられるようにこれらについては、あきらかに回帰モデルとしては不適切(最小二乗になっていなさそう)である。が、本文を読むと、比が最大になるものを用いたとあるので、回帰分析の結果ではなく、比が最大になる点のデータを用いているのだろう。
そうであれば、このような直線は不要である。いったい何を意味する直線なのだろうか?

出所)食品の基準値導出について(pdf)

追加)上記2点について担当者に問い合わせ。幾何平均について、文章からは上記のように解釈したが、担当者はその文章の上の4つの機関の最大値をというのもかかる=個別作物ごとには4機関のうち最大値を用いる。それを大分類にくくるときに幾何平均した。と解釈しているよう。感度分析したのか、あわせて確認依頼中。
いずれにしてもパラメータの基本になる情報は明示すべきである。

問い合わせへの返答) 私の記憶の中なので趣旨。
(担当課員) 担当した委員に確認したところ、ばらつきが大きいので確かに最大値を用いると大きな値になる可能性もある。そのため、幾何平均を用いている。それはよく用いられている妥当な方法である。
 感度分析はたしかに重要だが、パラメタが多数あるので、するかしないか検討が必要。
 10倍ぐらい値を振ってみたが規制値には大きな影響はなかった。
(私)重要な問題なのでそのエクセルシートの公開が必要なのではないか。
(担当課員)そのとおりであるが、公開はしていない。
   感度分析の必要性などについても検討したい。
(私)具体的に検討するとしたらいつになるか? 
(担当課員)検討したい。
ということであった。移行係数は上にあるように10^4オーダーの違いがあるので、10倍では不十分であるが、自前ですべて計算するのはなんなので、どうするかな。


1)パラメータの設定の続き
 同pdfの図1では土壌から農作物への移行しか考えていないが、大気中から直接表面に付着する。といった経路も無視できないはず。
 さらに、内部被曝線量係数(同pdf p.22 下に引用)は放射性物質の量を身体への影響に換算する重要な係数。ICRP72の値を使っている。年齢別だが男女別には値が設定されていない。
 被爆者データの固形ガン死亡率データ(Preston et al. 2003)では、30代での被爆者と比べると10代未満のリスク(ERR)は2.5倍になる。また、全体平均では0.47だが、男女別では女性の方が高くなる。しかし下記にあるように、男女別の値も設定していない。また年齢別にみても子供のリスクが過小評価されているようにみえる。
 (ICRP72ではもしかするとリスクの高い女性を想定しているのかもしれない。また、体内を要素に分割していじいじして計算するよう。これらは要確認)。
 いずれにしても、重要な問題なのでデータシートは公開してもらいたい。
出所)食品の基準値導出について(pdf) p.22