乳及び乳製品の成分規格等に関する省令 へのパブリックコメント(2012/2/4送信)
1.子供への影響を考慮した規制値の設定について
これまでの知見(参考資料参照)からすると子供のリスクは大人の3-10倍となる。また、年間被曝量1mSv程度の原発労働者の分析でも固形ガン死亡リスクが上昇することが見いだされている。
これらはいずれも外部被曝に注目したものであり、食 品による内部被曝は、さらに重大な影響を与える可能性がある。これらから、子供の年間被曝量を1mSvに押さえ るという基準は甘すぎる。
少なくとも、水と同じ1/10mSv程度に抑えておく べきである。 そうすると、いずれの食品についても、提案された値の1/10=5Bq/kg程度とするのが妥当である。
2.関連法体系の整備
規制値にのみ言及しているが、食品衛生法では
http://www.houko.com/00/01/S22/233.HTM
表示、監視、検査、罰則について規定している。
放射線という特殊な状況であるため、今回の基準が達成されているかを監視、検査する体制を事業者等に課すべきである。 特に表示については義務化させることが望ましい。
参考資料
・被爆者データの分析
・固形ガンによる死亡リスク(ERR)
0-9才で被曝した者は成年で被曝した者の2.5倍 (下記Fig3)
Preston et al. (2003), "Studies of mortality of atomic bomb survivors. Report 13. Solid cancer and noncancer disease mortality: 1950-1997," Radiation Research, 160 (4), 381-407.
・同、 罹患リスク
(0-9才) のデータは公開されていないが、 10代で被曝すると ERRは3倍 程度(下記Fig4)
部位別にみると膀胱ガン1.32 甲状腺1.2 その他 1.65 と極めて高くな る(TABLE 11)。言うまでもなく死亡数よりも罹患数の方が多い。
Preston et al. (2007), "Solid Cancer Incidence in Atomic Bomb Survivors: 1958–1998," Radiation Research, 168 (1), 1-64.
・白血病
年齢別の推定値ではないが、白血病全体で1.55 CMLでは6.39に達する。
Richardson et al. (2009), "Ionizing radiation and leukemia mortality among Japanese Atomic Bomb Survivors, 1950-2000," Radiation Research, 172 (3), 368-82.
100mSv以下では不確実だという言明が流通しているが、上記論文ではいずれ も線形仮説(もしくは2次項を導入したもの)を支持している。
・平成22年3月 原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査
この調査の対象の原発従事者の一人当たりの平均累積線量は13.3mSv(報告書 p.32合計列によれば10年以上勤務はこのうち28.2%)。
概ね年間1mSv程度を被曝。
それでも、 全新生物、肝臓がん、肺ガン、非ホジキリンパなどでは被曝量とと もに、死亡率は上昇。労働者は当然、成年以上で有り、子供への被曝の影響はさら に大きくなると推測するのが妥当。
以上
1.子供への影響を考慮した規制値の設定について
これまでの知見(参考資料参照)からすると子供のリスクは大人の3-10倍となる。また、年間被曝量1mSv程度の原発労働者の分析でも固形ガン死亡リスクが上昇することが見いだされている。
これらはいずれも外部被曝に注目したものであり、食 品による内部被曝は、さらに重大な影響を与える可能性がある。これらから、子供の年間被曝量を1mSvに押さえ るという基準は甘すぎる。
少なくとも、水と同じ1/10mSv程度に抑えておく べきである。 そうすると、いずれの食品についても、提案された値の1/10=5Bq/kg程度とするのが妥当である。
2.関連法体系の整備
規制値にのみ言及しているが、食品衛生法では
http://www.houko.com/00/01/S22/233.HTM
表示、監視、検査、罰則について規定している。
放射線という特殊な状況であるため、今回の基準が達成されているかを監視、検査する体制を事業者等に課すべきである。 特に表示については義務化させることが望ましい。
参考資料
・被爆者データの分析
・固形ガンによる死亡リスク(ERR)
0-9才で被曝した者は成年で被曝した者の2.5倍 (下記Fig3)
Preston et al. (2003), "Studies of mortality of atomic bomb survivors. Report 13. Solid cancer and noncancer disease mortality: 1950-1997," Radiation Research, 160 (4), 381-407.
・同、 罹患リスク
(0-9才) のデータは公開されていないが、 10代で被曝すると ERRは3倍 程度(下記Fig4)
部位別にみると膀胱ガン1.32 甲状腺1.2 その他 1.65 と極めて高くな る(TABLE 11)。言うまでもなく死亡数よりも罹患数の方が多い。
Preston et al. (2007), "Solid Cancer Incidence in Atomic Bomb Survivors: 1958–1998," Radiation Research, 168 (1), 1-64.
・白血病
年齢別の推定値ではないが、白血病全体で1.55 CMLでは6.39に達する。
Richardson et al. (2009), "Ionizing radiation and leukemia mortality among Japanese Atomic Bomb Survivors, 1950-2000," Radiation Research, 172 (3), 368-82.
100mSv以下では不確実だという言明が流通しているが、上記論文ではいずれ も線形仮説(もしくは2次項を導入したもの)を支持している。
・平成22年3月 原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査
この調査の対象の原発従事者の一人当たりの平均累積線量は13.3mSv(報告書 p.32合計列によれば10年以上勤務はこのうち28.2%)。
概ね年間1mSv程度を被曝。
それでも、 全新生物、肝臓がん、肺ガン、非ホジキリンパなどでは被曝量とと もに、死亡率は上昇。労働者は当然、成年以上で有り、子供への被曝の影響はさら に大きくなると推測するのが妥当。
以上